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 台湾の視覚障害をもつ方々とボランティアで組織されている「展翼合唱団視障天使協力者隊」主催の「端午雲彰投三天行程」は、2017.5.27から3日間の日程で日本からCVJメンバー2名を含む65名の参加者が集い行われました。
 この内、視覚障害をもつ方は、日本・台湾合わせて28名で、パイロットと共に28台のタンデム自転車に分乗し、台湾中西部を舞台に3日間で170kmを走るイベントでした。
伴走・サポートの自転車を含め30数台が後部に旗をなびかせて走る姿はとても壮観そのものでした。

<台湾タンデムサイクリングの旅>

2017.5.25~31  大島 政廣

5月26日(金)
 イベント前日の5/26夜は、CVJメンバー歓迎のために現地メンバー12人が夕食会を台北市内の中華料理店で開催してくだ
さいました。台湾メンバーとの交流は今回が9回目ということもあり、お互いに再会を喜び、プレゼント交換など豪勢なご馳走をいただきながら、和やかで充実したひとときを過ごしました。

5月27日(土)


 この日は早朝5時50分台北駅集合で、6時26分発の新幹線で台中市の南にある彰化駅まで1時間18分の乗車。
 ここから62km余りのサイクリング開始で、午前中は40kmほどの距離です。


 3日間共タンデム自転車で、同行のCVJメンバー堀さん(視覚障害)とペアで一般国道でなく自転車道がメインのコース(そのための下見の労力はたいへんだったと思います)を走ったのですが、全行程を通して一人乗り自転車に乗った何人ものサポートスタッフが次々と先回りをしてすべての交差点で交通整理と誘導をしてくださり、安全確保を十分に受けながらの走行が続きました。

 この日の午前は、花園公園、九天宮、芸術村と3か所の休憩をはさみ、台湾の歴史ある港町・鹿港(ルーカン)で昼食と散策の時間をとりました。天気予報では午後からの降水確率が40~50%でしたが、ほんの少し霧のような感じで雨はあったのですが、曇り空でさほど暑くならず、午後からのサイクリングを楽しむことができました。

 

 午後の観光のメインは大村郷農会果園(ブドウ畑)でのひとときで、たくさんの試食と収穫間近のぶどう畑の散策を楽しみました。苗は50年程前、日本から輸入されたものだそうですが、現地で品種改良され大粒のグリーンや紫色のブドウの試食を楽しみ、また、一人に一つずつ大きなパックにいっぱい詰め込まれたブドウをお土産にいただきました。

 

​ 員林という町のビジネスホテルがこの日の宿泊先だったのですが、夕食は近くの海鮮料理屋さんで大交流会が開かれました。ゲスト紹介や日本からのお土産を景品にしたジャンケンゲーム、歌の披露などがあったりしたのですが、ハイライトとなったのは、主催者団体がちょうど5年前の6/2に創設されたということで、結婚披露宴で出されるような大きなケーキが用意され、ケーキカットなどのお祝いのセレモニーが行われました。(小分けに切ったケーキは65人が食べてもまだ余り、おかわりまでありました)

 堀さんとは、市内のホテルにチェックイン後、台北で一番大きい「士林夜市」に繰り出し、台北の夜とサイクリング打ち上げのひとときを楽しみました。

<堀さんとのペアラン> 

<文責>  大島政廣

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5月28日(日)


 事前の資料では、この日の行程は44.52kmと3日間のなかで、距離は一番短いのですが、
他の2日間は「難度ゼロ」の表記に対し、この日は「難度5」となっており、スタート前に台湾メンバーから「午前中に4kmの登り、午後も1kmの登りがあるから、がんばって」と声をかけられての出発。
 出発後すぐ「興賢書院」・「公園」・地方の大豪族の領地「劉氏古厝」などで休憩を兼ねて観光しながら進み、いよいよ目の前にそそり立つ峠道へ。


 何組かのタンデムが歩きに変わるなか、同行の堀さんと“日本人として押すことなく、何としても最後まで漕いで登ろう”と話し合い、がんばって進んで行くと、ちょうど中間地点付近でリーダーが休憩のためストップするのが見えたので、「ヨ~シ!」とさらに気合を入れ直して進むと、ちょうどこの休憩地点でこちらにカメラを向け写真を撮ってくださっている方がおられたので、思わず顔を見ると30年以上前にお父さんの時代から交際を深めている台南市在住の劉さんでした。
 劉さんは中学校の教員でこの日はサイクリング部の3名の生徒(自転車で参加)と共に車で2時間半かけて面会に来てくださったのです。事前の話では昼食場所でお会いするということだっただけにとても驚き、うれしい再会となりました。3人の生徒たちは先に行ったということなので、10分余り休憩を兼ねお話をし、昼食場所でゆっくりお話ししようということで再び、残り30分ほどの登りにチャレンジしました。
 昼食は、頂上にある「名間北天宮」の広場で事前にトンカツや豚足などいくつもあるメニューの中から選んだ希望のお弁当をいただきながら、今度は生徒さんたちも含めて、英語を交えての会話やお土産の交換など交流のひとときを過ごしました。

 

 昼食後は、1999年9月21日台湾を襲った大地震の震源地である「集集」に向かいました。初めは爽快な下りが続いたのですが、途中からは勾配はさほどでもないのですが、結構登りもあり、途中登り窯のある「陶芸村」で休憩・観光の時間をとりました。こうした観光地では施設の案内は無料とする代わりにお土産を買ってもらうというのが通常ですが、ここは案内だけではなく一人ずつ100元(400円弱)の金券が配られ、喫茶コーナーやお土産購入で自由に使用できるという良心的な所でした。
 「集集」到着後は、駅近くに自転車を置き、古街の散策を楽しみましたが、駅前広場ではダウン症の女性が音楽に合わせてテンポよく踊ったり、オカリナのような楽器を吹いてストリートパフォーマーとして活動されているのには感動しました。
また、「武昌宮」というところにも案内していただいたのですが、とても立派なお宮ですが、これは地震後に新築されたもので、敷地の後部にはコンクリート製の正面の拝殿の基礎が鉄筋がむき出しのまま崩れ屋根の位置が半分くらいの高さになっており、さらに両脇のお堂が寄り添うように中央に倒れかかっている被災時の建築がそのまま保存されていました。

<添興窯陶芸村にて>   <「武昌宮」にて>
 

 この日は先にレストランで夕食をとったため、すっかり陽の暮れた20時前のホテルチェックインとなりました。
 

5月29日(月)


 イベント中は、モーニングコールが毎朝6時で、ホテルで朝食後、7時半サイクリングの準備を整えて集合。全員で体操をしてから出発というのが日課となっていました。
この日の走行予定は56.7kmですが、紫南宮、八堡圳、化粧品を中心とした観光工場、虎尾雲林故事館、農業博覧会公園など多くの観光地を案内していただくなどしてサイクリングを楽しみ、農業博覧会公園ではスイカやレンブーなど 果物、休憩時用のお菓子など残ったものを食べきることも兼ねて、多くの人がマイクを持ち3日間のミニ反省会の時間をとるなどして、17時20分新幹線雲林駅に到着し、充実した3日間のサイクリングを終えました。
​ その後は、18時12分発の新幹線で台北(19時39分着)に戻り、現地解散。

 

<源泉派出所にて>      <雅聞峇里海岸観光工廠→主に化粧品を扱う工場>

今後のことなど


 次回の台湾でのイベントは10/7~9に台湾南部の高雄方面で実施されることがすでに決まっていますが、今回は2名の参加だったものの、この10月には昨年同様視覚障害の方5人を含む10名程度で参加し、交流深めたく思っておりますので、ぜひ今から日程調整をし、ご参加いただければと思います。
 

<基隆川で開催された「ドラゴンボートレース」>  <亀山島上陸>
 

 また。2014年3月には台湾から視覚障害をもつ方10名、ボランティア11名の合計21名が来日され、一緒にしまなみ海道・淡路島で2泊3日のサイクリングを楽しみましたが、来年11月に再び訪日しCVJメンバーと共にサイクリングを楽しみたいという要望が出ており、ぜひこのイベントも実現できればと思っております。


 もうひとつ個人的なことになりますが、大島にとって今回27回目の台湾訪問で、台湾にある7つの離島で最後に残った「亀山島」をイベント前日の5/26に訪問することができ、記念すべき旅ともなりました。


 また、イベント終了翌日は、折から端午の節句で、台北で年に一度開催される「ドラゴンボートレース」の観光を楽しんだり、新竹市で知人との再会のひとときをもつなどとても充実した日々となりました。

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